インタビュー

製造現場における人員管理に役立つ顔認証システム

NAVINECTパートナーインタビュー:アイメックス株式会社

更新日:2023.8.3

製造現場における作業員の配置や健康状態を把握することは、労務管理の観点からも、作業員の効率的な配置を検討する観点からも重要です。NAVINECTエッジ「作業者管理」パッケージでは、作業員入退室情報や作業実績を蓄積・見える化し、作業員の作業習熟度を加味したチーム編成を実現するなど、より最適な配置設計を実現します。本パッケージとアイメックス株式会社製の顔認証システムを連携することで、より信頼度の高い認証情報の収集や、遠隔での作業員の健康状態の把握などが可能となります。 今回はアイメックス株式会社代表取締役の岡田社長に、保有する技術や顔認証システムの特徴、NAVINECTとの連携についてお話を伺います。

パートナーインタビュー アイメックス株式会社

創業以来、自動認識技術を軸としたビジネスを展開

- はじめに、御社について教えてください。

弊社は1974年に設立し、来年には50周年を迎えます。 設立当初は、溶接の際に発せられる光の強さを検知し溶接機器の出力の強さを計測する露光計や、初期のPCを操作するのに用いられた、PCモニターの発する光を検知するライトペンを開発し展開していました。 1980年代、世の中にバーコードが普及し始めたことをきっかけにペン型のバーコードスキャナをリリースしました。現在まで続くAuto-ID(自動認識)事業の先駆けです。 この自動認識技術を軸に、スマートフォン上に表示したコードをスキャンしクーポンを発券する端末の提供を中心とする情報端末事業や、アミューズメント施設等で活用される特殊な方式でしか認識できないセンサーを提供するセンシング事業を展開しています。

  • 「ライトペン」画像

  • 「クーポン発券端末」画像

- なるほど、設立時から持つ技術を時流に合わせて手広くサービス化しているのですね。

その通りです。前述のクーポン発券端末は引き合いが多く、全国のスーパーに約10,000台の納入実績があります。ペン型のスキャナについても大手運送会社へ約10,000台程納入しています。近年はスキャナ等のデバイスの小型化に力を入れており、リング型のスキャナの開発も行いました。ここ1,2年は特に引き合いが増えています。

- ラインナップを拡充されていく中で、顔認証システムの取り扱いも開始されていらっしゃいます。
  どのような経緯で取り扱いを開始されたのでしょうか。

「顔認証」というよりも「検温」に対するニーズが取扱いのきっかけとなりました。 コロナが流行し始めた2020年の始め、エンドユーザー様から検温装置のご要望を頂きました。 弊社で取り扱いが無かったため製造メーカーを探したところ、弊社とパイプのある台湾のメーカーで顔認証機能付きの検温装置を取り扱っていることが判明し、2020年8月から弊社での販売を開始しました。 一方、ウィズ/アフターコロナという言葉が出てきたように、現在ある程度世間がコロナ対応に慣れてきて、且つ検温装置も世に浸透してきたことで、"検温装置"としての需要は落ち着きつつあります。 最近では弊社も、検温機能付きの"顔認証システム"として幅広い業界に対してアプローチしています。 NAVINECTエッジ「作業者管理」パッケージとの連携も、顔認証システムとして活用頂く一例です。「顔認証システム×NAVINECT」のセット販売も強化していきたいと思います。

顔認証システム「AM520RT」

- 昨今、顔認証システムを取り扱うメーカーは増えてきているように見受けられます。
  貴社の顔認証システム「AM520RT」にはどのような特徴があるのでしょうか。

弊社の顔認証システムには「認証スピード」「外光への強さ」「スタンドアロン」と大きく3つの特徴があります。 第一に「認証スピード」ですが、弊社で取り扱う端末は1人あたり最速0.3秒で認証します。この認証スピードを評価頂き、特定の時間帯に集中した混雑が発生する大学・塾の教室の入り口や工場の守衛所で導入頂くことが多いです。これは、競合の顔認証システムへの優位点でもあり、虹彩認証等他の種類の認証デバイスへの優位性でもあります。 次に「外光への強さ」ですが、例えば日光がさんさんと降り注ぐ学校のエントランスのような場所でも、真正面からの直射日光でなければ正常に動作します。実際に、季節や時間帯によって角度や強さが異なる日光が照射する某大手メーカー工場の守衛所で2年前から弊社のものを導入頂いておりますが、一度も不具合のご連絡は頂いておりません。 最後に「スタンドアロン」ですが、サーバー等との接続が無くても、端末単体でも50,000人の顔情報を記録し認証可能です。 複雑なシステム構築等が不要であり、導入のハードルが非常に低いことに特徴があります。 この他にも、誤差±0.3°の高精度な検温機能や、別システムとの接続・拡張性など様々な特徴があります。 これらはNAVINECTエッジ「作業者管理」パッケージと連携する上でも、より現場の負荷を少なくしより高精度な作業者の管理を行う上で重要となる特徴です。

屋内外の利用シーン事例

- エンドユーザー様のお声を汲み取りつつ、他のメーカーとの機能的な差別化も行いニーズに応えられているんですね。

はい。弊社は創業から培ってきた技術をベースに自社で作れるものは自社で作って提供するメーカーとしての役割を持ちつつ、 ニーズがありつつも自社で作っていないものは国内外のメーカーから輸入して販売する商社的な役割も持っています。 ただ輸入するだけでなく、メーカーとしての技術を活かして弊社のエンドユーザー様仕様に改造したり、アレンジを加えて販売することも多くあります。

-  全体的に産業向けのデバイスを多く取り揃えていらっしゃるようにお見受けしますが、直近でサービス化に向けて動いているものがあれば教えてください。

近いうちに、弊社が取扱うスキャナ等のハード(デバイス類)を他社のソフトウェアを組み合わせてサブスクで提供しようという試みをリリースする予定です。 背景として、複数の拠点を持つ中小の製造業や小売店は在庫管理等のために数十万円のスキャナを買うことに非常に大きなハードルを感じることが多いようです。そのため、月額制でサービス提供されることの多い管理ソフトと販売方法を合わせ、6ヶ月という契約期間付きでハードもセットでサブスク提供することを考えました。イニシャルコストを掛けずに、毎月の経費として処理しながらハードとソフトを利用できる利点があります。 第一弾としてアパレル業界向けに、入出庫検品や在庫・売上管理に利用される「TENPO MASTER」というソフトと弊社の各種スキャナのセット提供を行う予定です。

- NAVINECTとも親和性がありそうな提供方法ですね。

その通りです。ハードのサブスクサービスとセットで提供できるソフトは拡充させていきたいと考えています。弊社の顔認証システムとNAVINECTエッジ「作業者管理」パッケージは既に連携可能となっております。直近で連携を開始する「TENPO MASTER」は製品が店頭に並んだ後の管理ソフトであるのに対して、NAVINECTは製品が出来るまでの過程をデジタル化・IoT化するソフトであると認識しています。 そのため、既に取り扱いを予定しているソフトとの役割分担もできると思われます。

NAVINECTエッジ「作業者管理」における顔認証活用方法

- 今後の貴社の展望を教えてください。

先に述べたハードとソフトのセット販売を前面に押し出していきたいと考えております。リング型のウェアラブルスキャナやRFID対応のリーダーライターなど、トレンドを捉えてハードのラインナップをどんどん刷新しています。今後はソフトのラインナップを広げつつ、それらを簡易的な設定さえ済めば使用開始できる状態でハードとパッケージ化していきます。 サブスクにより導入ハードルを下げつつ利便性も良いものを一気通貫で提供して行きたいと考えています。

  • RFIDリーダー「AT388」

  • ウェアラブルリング二次元スキャナ「WRS」シリーズ

顔認証システム「AM520RT」はNAVINECTエッジ「作業者管理」パッケージと連携してご利用いただけます。

作業者管理パッケージは、認証システムを用いて作業員のあらゆる情報を収集・蓄積し、配置管理や健康管理に役立てます。 顔認証システム「AM520RT」と連携することで、より精度の高い個人の認証が可能となるとともに、各作業員の作業経験時間や習熟度を管理でき、作業者の配置の最適化に繋がります。 NAVINECTエッジ「作業者管理」パッケージの詳細はこちらをご覧ください。

アイメックス株式会社 アイメックス株式会社

1974年設立。バーコードリーダー、ハンディターミナル等のデバイス及び関連サービスを開発・製造・輸入・提供。

https://www.aimex.co.jp/

代表取締役 岡田幸紀 氏