更新日:2025.1.16
治工具管理の精度が製品品質に影響する
・不適切な治工具管理は品質事故を起こす可能性がある
不適切な治具・工具類(以下、治工具)の管理は、さまざまな問題を引き起こします。品質面では、治工具の摩耗による寸法不良や、劣化による表面仕上げの不良などをよく耳にします。また、正確な加工ができないことから取付不備が生じ、電子部品の場合には短絡や接続不良の原因となることもあります。 これらの問題は歩留まりの悪化を招くだけでなく、市場に流出した場合にはリコールや返品につながり、数千万円規模の損失を引き起こす可能性があります。
・不完全な運用と属人的な分析が管理を妨げる
適切な管理の原則は、正確な管理と信頼性のある分析です。正確に管理できていない場合とは、具体的には、規定回数を超えて治工具使い続けてしまう、規格違反があるのに現場で利用されてしまうなどが考えられます。 分析は一般に個人のスキルに依存しますが、分析前のデータ成形やトレンド把握などの基本的な部分が個人のスキルに依存している場合、一定レベルの底上げが求められる場合もあります。

NAVINECTが提案する解決策
・QRコードを利用して誤入力を防ぐ
NAVINECTクラウドの「在庫管理」および「工程管理」を使用すると、治工具の在庫、メンテナンス記録、使用履歴を管理することができます。 「誤入力」の解決策の一つは「QRコード運用」です。治工具に貼り付けたQRコードを読んだ後に回数や時間を入力することで、似た型名の治工具に誤って登録してしまうことを防ぎます。 また、利用しようとする治工具が規定回数や時間を超えていた場合、警告を出すことも可能です。

・許可されていない治工具は使わせない
時間や回数が規定内でも、メンテナンスの結果、規格違反などで利用できなくなる場合があります。利用開始時に治工具に貼り付けたQRコードを読み取ることで使用できない治工具にNG判定を出すことができます。不正な治工具が現場で使用されることを防ぎます。

・予兆保全でさらなる効率化を
収集データにより、予兆を捉えて突発的なトラブルを防止したり、購買量やタイミングを最適化することができます。 一般的に「分析」は属人化しがちですが、期間や項目を自由に組み合わせて分析できる管理画面があれば、どの担当者も分析の第一段階であるデータ成形やトレンド把握を一定レベルで行えるようになります。
トレンド分析
例えば、治具が破損や摩耗で部品がずれた場合、本来の力以上に加工時に力(トルク)かかるため、装置側の電流量が通常より上がる可能性があります。振動もずれがあれば大きくなる可能性があります。このように様々な観点を切り替えたり、組み合わせたトレンド分析を行うことが可能です。

CSV出力値による分析
より複雑な分析を行いたい場合は、計測データをCSV出力して自由に分析いただくことが可能です。例えば、規格外品数/月と、測定値による異常累積回数の2つをグラフ化、治具の交換時期やメンテ時期の精度向上が可能です。

NAVINECTが提案する解決策
治工具は製品の加工に使用されるため、その管理精度が製品品質に重大な影響を与えます。治工具の数が数万点に達する大規模な工場では、品質事故によって数千万円規模の損失が発生する可能性もあります。したがって、治工具管理の観点からも品質対策を講じることが重要です。
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「在庫管理」を知る
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「工程管理」を知る