更新日:2024.4.4
安全衛生管理の重要性
安全衛生管理は、企業が労働者の安全と健康を保護する活動です。企業が作業員管理を怠ったことが原因で発生した労災では、被災者への賠償や作業停止などの行政処分が課せられる可能性があります。 正しく安全衛生管理に取り組むことで、労災を防ぐだけでなく生産性や従業員のモチベーションを向上、ひいては人材確保の円滑化や企業としての競争力強化に繋がっていきます。

労働災害の8割がヒューマンエラーが要因
厚生労働省の「労働災害原因要素の分析」によると、労働災害の8割に人間の不安全行動が含まれていると記されています。不安全行動の中には、うっかりミスや錯覚等により「意図せず」に行ってしまうヒューマンエラーが存在しており、これは意図的な違反ではないため教育や作業ルールの周知だけで対策として不十分です。

労災を誘発するヒューマンエラーの抑制に必要なこと
工場において事故を未然に防ぐためには、一般的な5SやKYTの他に、不安全行動や作業者の危険な状態を「見える化」し、ヒューマンエラーの芽を摘むことが重要です。危険な状態を見える化するとは、工場内での危険区域や不安全行動が起こりやすい状態を視覚的に明確にすることを指し、とりわけ危険な薬品を扱うようなエリアや大型車両や通過する危険区域の近くには徹底した安全管理が必要です。しかし、人間による監視では、切れ目のない継続的な監視は困難、広範囲の監視には多くの人員が必要、万が一の際の記録が残しにくいなどの課題が残りますが、IoT技術を活用して作業者の保有資格(スキル)、作業場所、作業工程、健康状態を総合的かつ効率的に監視することで、管理者にヒューマンエラーの発生リスクの気付きを与え、事故の未然防止に役立てることができます。 また、こうしたIoTによる監視は労災を抑制するだけでなく、作業の所要時間や人数データを記録して分析に活用することで、安全点検などの施策の策定に役立てたり、職種ごとの作業負荷を分析して作業計画策定に活用したりすることができるようになります。
<作業者の属性や作業状況を監視する>
前述したように、作業者に関する様々な情報をモニタリングすることで、不安全行動や危険な状況を管理者に気付かせることができます。例えば屋内外で現在位置を測位できるIoTデバイスを作業員に携帯してもらうことで、管理者側では作業員がどこで何の作業を行っているかをパソコンの画面上で簡単に確認できるようになります。 その結果、万が一のときに事故現場への駆けつけ時間をできる限り短縮し、作業員の救助や交代をよりすみやかに行うことが可能になります。
<作業者の健康状態を監視する>
作業者のストレス状況や体温などの健康状態は悪化するとヒューマンエラーを誘発します。これらの情報は目視による判断が困難ですが、心拍数などのバイタル状況や転倒・転落状態を検知するウェアラブルデバイスの着用で健康管理を可能にします。また、工場内に温湿度を測定するセンサーを設置することで気温や湿度をリアルタイムで監視できます。閾値を超えたら管理者が異常を捉え、現場環境を調整することで熱中症などの健康リスクを減らす事が可能です。
こんな課題はありませんか?


WebカメラやIoTデバイス連携により作業者の遠隔監視を支援。
ヒューマンエラー抑制のほか、現場巡視などの作業効率化に寄与します。

•担当工程・エリア入室時間・滞在時間 etc
課題解決の一例
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資格保有者の所在を管理
業務遂行に必要な資格保持者の所在を見える化し、業務支援や配置換えを効率化する。
適正配置による安全管理
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危険エリアにおける侵入検知
BLEセンサーを設置し、高所などの危険区域や単独作業禁止区域への立ち入りを検知する。
注意喚起の迅速化で事故未然防止
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保護具の着用状況を確認
定点カメラを設置し、画像認識AIによる検知で、ヘルメットやハーネスなどが装着されているかを判定。
不安全活動の早期発見
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危険作業の遠隔支援
現場の映像を事務所と共有することで新人作業者の作業状況を確認。ヒヤリハットへの初動対応を早める。
新人作業者へのフォローを迅速化
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ストレス状況や転倒状態の検知
ウェアラブルデバイスを着用し、転倒・転落状態やストレス状況を素早く検知して管理者へ通知。
健康リスクの検知による安全管理
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作業環境の温度・湿度管理
鋳造現場や高温の設備の側に、温湿度センサーを設置し、熱中症の発生を未然に防ぐ。
注意力低下による労災リスク抑制
NAVINECTが解決する社会課題
これまで触れてきた安全衛生管理への対応策は、ここ数年、社会問題となっている国内大手メーカーの検査偽装とも無関係ではありません。一概には言えませんが、生産現場では人手不足の煽りを受けつつコストや納期に対しても厳しいプレッシャーがかかります。そのような環境下では、過労によるヒューマンエラーの発生だけでなく、上層部の圧力や生産性への貢献を理由にコンプライアンス意識が欠如し、結果として昨今騒がれている無資格検査(検査偽装)や手抜き作業に繋がるケースがあります。仮にうまくごまかせたとしても、このようなある種の成功体験が蔓延してしまえば、やがて不正の温床と化してしまい、企業はさらに大きな問題とリスクを抱える事態に陥ってしまいます。 また、現場への安全衛生活動に関しては、 KYTや安全教育を実施している企業も多く存在するものの、現場に一定の余力がなければ疎かにされがちです。仮に現場に余力がなくとも、作業者の不安全行動やリスクに気付き、迅速に対処できる仕組みづくりが重要なのです。NAVINECTではIoTデバイスとの連携により、有資格者の位置情報や作業時間など様々な情報をデジタル上に記録します。これらの情報を総合的に監視することで、不安全行動の抑制だけでなく製品の安全性を脅かす不正の芽を摘むことができるようになります。 TOPPANデジタルが提供するNAVINECTでは、製造現場における作業員の業務可視化と安全確保のためのサービスを多数提供しています。ご興味をお持ちいただけましたら、是非お気軽にお問い合わせください。