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TOKYO PACK 2024 講演レポート

「IoTと包装技術」パネルディスカッション

更新日:2024.11.28

 2024年10月23日(水)~25日(金)に東京ビッグサイトで開催された「TOKYO PACK 2024 - 2024東京国際包装展 – Tokyo International Packaging Exhibition 2024」(主催:公益社団法人日本包装協会(Japan Packaging Institute)にて、当社の松本がパネルディスカッション「IoTと包装技術」に登壇いたしました。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

TOKYO PACK 2024 - 2024東京国際包装展 – 概要

 様々な業界で活躍している包装資材・容器、包装機械を中心に、調達から生産、物流、流通、販売、廃棄・リサイクルに至るまでのあらゆる分野を網羅した世界有数の国際総合包装展。2024年度は22.1万人の来場者数を記録。

TOPPANグループも出展。多くのお客様で賑わいました。

TOPPANグループも出展。多くのお客様で賑わいました。

NAVINECT展示の様子。

NAVINECT展示の様子。

「IoTと包装技術」パネルディスカッション

「IoTと包装技術」パネルディスカッション概要

「IoTと包装技術」パネルディスカッション概要

生産性の低迷や市場縮小といった問題を背景に、包装機械業界でも自動化やデジタル化が求められているが、コストや人材不足によりIoT導入に消極的にならざるを得ない場合も多い。  包装機械工業会は、2024年4月、データ共有と連携、セキュリティ確保、価格競争力の強化を目的として「包装システムにおけるIoT標準化に関する指針(案)」を公開。ステークホルダーごとの課題整理とフォーマットの整備に取り組んできた。  「IoTと包装技術」では、製造DXを経験してきたユーザー企業、包装機械メーカー各社がそれぞれの立場よりパネルディスカッションを行った。

◆包装機械工業会

https://www.jpmma.or.jp/

◆包装システムにおけるIoT標準化に関する指針(案)

https://www.jpmma.or.jp/scjpmawpcore/wp-content/uploads/240404_seminar_iot_sisin.pdf

◆コーディネーター・三島一考様 編集長”MONOist”

https://monoist.itmedia.co.jp/

IoT標準化指針(案)とその意義

コーディネーター アイティメディア MONOist三島氏(以降、三島氏):まず、標準化の意義について議論していきたいと思います。日本包装機械工業会では包装機械でもIoTを活用しやすくするようにIoT標準化指針案を発表しています。こうした取り組みについてどのように思われますか? TOPPANデジタル 松本(以降、松本):今IoTに取り組もうとしている現場でも、実は言葉の統一ができていないというのはよくあります。ある会社の工場ごとに、あるいは同じ工場内でも工程ごとに、同じことを言っているのに言葉が違うということがあります。 私はカイゼン活動をアナログでやっていないとIoTに繋がっていかないと思っています。まずはカイゼン活動の中で言葉を統一する、それをができたら定義を揃えていく、ということをやっていかないとカイゼンもIoT化も進まないと考えています。 「ものさし」が違うとデータの意味が全く違ってしまうことがありますので。 標準化により、包装機械全体が統一していこうというきっかけになるんだろうなと期待を寄せています。 日本包装機械工業会 IoT WG 浅見氏:言葉や定義、単位の統一については標準化フォーマットの中に落とし込んで皆さんに提供するという形でブラッシュアップしているところです。現在は案ですが、完成度が上がってきたらもう少しわかりやすいものができるのではないかと考えています。

IoT標準化指針(案)とその意義

包装産業への期待

三島氏:それでは、包装産業、包装機械はどのような将来像へ進んでいくと考えますか? 松本:当社の経験を少し話すと、過去、現場の数値系の統一に取り組み、なかなかうまくできたと思っています。キモは全体を通して数値やロス、チョコ停の考え方を統一して管理できたことだと考えています。 実際に、一人の職制が複数のKPIを見ながら、「閾値超えが3回起きたら停止」のように判断を統一できるようになり、作業効率や管理の精度が上がりました。 この経験から行くと、取ってきた数値の定義を決めて管理するということがいかに大切かということです。 業界団体がそうした指針を出していただけるということは、非常にありがたいことだと思いますし、IoT化に向け進んでいくのではないでしょうか。

NAVINECTエッジ
IoTゲートウェイ「DockGator」を介して、あらゆる装置やPLCと連携し、品質や製造管理等の様々な観点でデータを見える化する

松本:データ収集においては「DockGator」という仕組みを使いました。これはIoTゲートウェイで、あらゆる装置やPLCの差分を吸収してシステム側に連携することができます。これを入れてもらえれば、後は対象装置を順次広げていくことができます。

DockGator対応PLC一覧

DockGator対応PLC一覧

NAVINECT連携パートナー一覧

NAVINECT連携パートナー一覧

松本:私どもの液体容器の品質トレーサビリティシステムをご紹介させていただきます。 包材の一つ一つにユニークなコードが振られており、不具合が起きた時に遡って製造過程に異常がなかったかということを確認しています。 以前だと8人が3時間くらいかけてどこに原因があったかということを調査していたのが、今は30分くらいで特定、お客様との切り分けもスムーズにできるようになりました。 これが実現するとステークホルダーをまたがって情報を共有することができるようになるのですが、互いに情報を開示するのはかなり難しいとも思います。 いきなり100点を目指すのでなく、一歩一歩、できるところからやっていくというのが良いと考えています。

NAVINECTの充填・包装業界への導入事例

NAVINECTの充填・包装業界への導入事例

充填包装ラインDX

TOPPAN自社工場で長年培ってきた充填機・包装機のノウハウを詰め込んだDXサービス。充填・包装機と連携データ連携機能を標準搭載。トレーサビリティや異常監視など、お客様に合わせた機能を提供します。

充填包装ラインDX

最後に

三島氏:最後に、一言ずつお願いします。 松本:いくつか事例を紹介させていただきましたが、規模としてはかなり大きいものになります。 高いシステムでなくても、現場の工夫や感覚でなぜなぜ分析をすると効果が出たり、創意工夫で少ない投資でも効果的に使える場合もあるかもしれません。その先に高度なものがあると思いますが、まずはできる範囲でやってみることが大切なのではないでしょうか。ご聴講の皆様のご発展を願っております。

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※本記事は当社松本の発言を中心に抜粋しております。