NAVINECTクラウド

コラム

徹底比較!
クラウドサービスとオンプレミスの違い

更新日:2021.06.17

企業のクラウドサービス導入状況

テレビCMなどでもビジネス用途のクラウドサービスを目にする機会が増え、認知が高まっています。 クラウドサービスはどの程度導入され、またその効果はどのようなものなのでしょうか?

①クラウドを導入している企業の割合

総務省の「情報通信白書」(令和2年度)によると、クラウドサービスを何らかの用途で使用している企業の割合は、2015年では44.5%、であったのに対し、2019年では64.7%と20%以上増加しています。 また、クラウド導入で「効果があった」、および「ある程度効果があった」と回答した企業は85%超となっており、導入した企業では効果を実感されているようです。

クラウドサービスの導入状況
クラウド導入効果の有無(2019年)

②クラウドの導入理由

「資産・保守体制を社内で持つ必要がない」、「場所・機器を選ばずに利用できる」、「安定運用・可用性が高い」、「災害時のバックアップとして利用できる」という理由で導入している企業が多くみられます。

クラウドの導入理由

どちらの構成を採用すべきか?

このように、多くの企業で導入されているクラウドサービスですが、「在庫管理」や「ペーパーレス化」のサービスを導入する際、クラウドサービスで導入するか、オンプレミス※1で導入するかを十分検討することが必要です。 ※1 自社設置をする情報システムのハードウェア 資産も、導入・運用・コスト・障害対応などの点で大きな差異があり、長期的には企業の生産性や事業継続性、財務状況にも影響を及ぼします。 いずれも一長一短ですので、どちらが必ず良い、ということではありません。自社の状況に応じた環境の構築が必要です。以下では、一般的なクラウドとオンプレミスの特徴を比較してみます。

クラウドとオンプレミスの比較

一般的に、クラウドとオンプレミスでは下記のような差異があります。

クラウドとオンプレミスの比較図

導入フェーズでの差異

①導入コスト

オンプレミスの場合、サーバー環境を自社で構築しなければなりません。一般的なPCサーバーでは約200万円程度の費用が必要となります。ただし、PCサーバーではクラッシュの危険があるほか、バックアップが取れないというリスクがあります。リスクを回避する機能を備えるサーバーを購入する場合、500~1,000万円程度の費用が必要になります。また、後述のように導入には時間・労力がかかります。導入までの間の人件費(社内・社外)も考慮が必要です。 他方、クラウドの場合はサーバー環境を自社で構築する必要はありません。システムやアプリケーションを使うための設定費用(人件費)はかかりますが、通常数十万円程度で導入が可能です。

②導入にかかる時間

オンプレミスの場合、システムを新しく構築しなければならないため、要件定義・設計・テスト・リリースというプロセスを経て使用が可能になります。導入にあたっては社内の複数部門での調整が必要になる場合もあり、要件定義だけで数か月を要することもあります。使用できるようになるまでに半年程度かかるのが一般的です。 一方クラウドの場合は申込後即時にサービス開始が可能なことも多く、設定や部分的なカスタム要件を除けば即利用が可能です。社内での運用テストなどを考えれば、十分なアドバンテージとなります。

運営フェーズでの差異

①拡張性

ビジネス環境の変化や、事業の拡大などに伴う機能の追加など、拡張が必要となる場合があります。 オンプレミスの場合、自社で自由に拡張できますが、サーバーなどのハードウェア増設には費用と時間がかかります。 クラウドの場合は、ベンダーで提供されるプラン・オプションによる制約はありますが、その範囲内であれば迅速に拡張することが可能です。

②更新対応(OS・アプリケーション)

オンプレミスの場合、あくまで自社で保有する環境ですので、OSやアプリケーションの更新なども自社で対応しなければなりません。サポート期間が終了する場合などには新規に購入が必要です。更に、既存の導入システムが、OS更新に対応しなかった場合、改造費用が発生する場合もあります。  クラウドの場合はベンダー側で常に最新のOS・アプリケーションに更新しますので、ユーザ側での更新や新規購入は必要ありません。

③既存システムとの連携・カスタマイズ

オンプレミスの場合、自社の既存システムとの連携は基本的に自由ですが、連携作業は自社で行う必要があります。 クラウドの場合はベンダーのサービス提供内容により制約が生じます。場合によっては連携ができないこともあります。

④物理的なスペース

オンプレミスの場合、自社でサーバーを設置する必要があります。サーバーに適した空調環境での管理が必要です。 クラウドの場合は自社でサーバーを設置する必要が無いため、省スペースでの利用が可能です。

⑤ランニングコスト

オンプレミスの場合、ソフトウェア・ライセンス購入などの費用が必要です。また、サーバー環境などが固定資産として扱われ、固定資産税の課税対象になることがあります。また、運用するスタッフの人件費も考慮しなければなりません。自社のサーバー環境のメンテナンスには、知識を持った人財が必要になります。IT人財の人件費が高騰している昨今では、このような人件費も大きな負担となってきます。 クラウドの場合はサーバーなど運営諸費用は、全てサービス費用に含まれています。ライセンス数や期間、利用するオプションなどにより月額課金制となります。導入企業が、サーバーをシェアして使うため、オンプレミスの場合と比較すると安価といえます(詳細は後記)。

障害発生時の差異

①誰が対応するのか?

オンプレミスの場合、導入ベンダーと保守契約を交わす事でリスク分散は可能ですが、自社環境ですので障害対応は、自社で実施しなければなりません。 クラウドの場合は、ベンダー側で保守や復旧作業を行います。

②サービス停止のリスク

地震などの自然災害が起きた場合、オンプレミスの場合は自社内にサーバーを設置するため、設置環境によってはサービスが停止するおそれがあります。復旧作業も自社で行う必要があります。 クラウドの場合は、堅牢なデータセンター内にサーバーが設置されているので停電や地震のリスクを最小限に抑えることができます。

オンプレミスvsクラウド~5年間利用した場合の
コストシミュレーション

①クラウドは「割高」か?

「クラウドはオンプレミスよりも割高ではないか?」と思われている方も多いのではないでしょうか。オンプレミスは「所有する」のに対し、クラウドは「月々借りる」というイメージがあるためかもしれません。果たしてクラウドは「割高」なのでしょうか? 以下は、当社の「NAVINECTクラウド」と、同等の環境をオンプレミスで導入する場合のコスト比較です。 オンプレミスの場合、初期費用として①ハードウェア費用(サーバーなど)、②ソフトウェア費用(OS・アプリケーションなど)、③初期費用(設定費用など)が必要です。これに加え、保守費用などが毎年ランニングコストとして発生します。 他方、クラウドの場合③初期費用は発生しますが、前述のとおり自社で運用環境を持たないため、①ハードウェア・②ソフトウェアの費用は不要、初期費用+月々のサービス利用料(サブスク)でご利用いただけます。

オンプレミスvsクラウドのコストシュミレーション図

※上記はあくまで一般的な仕様を想定したシミュレーションです。詳細設定の内容によりコストは変動します. ※NAVINECTクラウドの販売価格はTOPPANデジタルが販売する場合の価格です。

★結論

NAVINECTクラウドと、同等の機能をオンプレミスで導入する場合を比較すると、5年間利用するコストはほぼ同等といえます。ただ、これはあくまで「通常想定されるコスト」のみの比較です。 オンプレミスの場合は上記に加え、①OS・アプリケーションの更新、②サーバーの更新・増設、③ソフト改修対応など、環境変化に伴う追加費用が発生します。

②「結局、5年間ではコストはほぼ同じ」なのか?

次に、サービスを2つ利用する場合を考えてみましょう。 実はこの場合に、オンプレミスとクラウドのコストの差が大きく開きます。 上の例と同様に、NAVINECTクラウドと、同等の環境をオンプレミスで導入する場合で比較してみます。

オンプレミスvsクラウドのコストシュミレーション図1 オンプレミスvsクラウドのコストシュミレーション図2

★結論

「NAVINECT」クラウドと、同等の環境をオンプレミスで導入する場合では2サービスを利用する場合、約500万円近くの差が出てきます。やはり、コストの面ではクラウドに軍配があがりそうです。

まとめ~DXを始めるならクラウドから、がおすすめ

これまでさまざまな視点からクラウドサービスとオンプレミスを比較してきました。カスタマイズのしやすさなどはオンプレミスに優位性がありますが、クラウドにもコストをはじめ多数のメリットがあることをお分かりいただけたかと思います。 なお、上記では触れませんでしたが、クラウドサービスには「導入のしやすさ」も挙げられます。クラウドサービスの中には「トライアルプラン」を用意しているサービスも多数ありますので、実際に使い検討してみてください。 いきなり本格的なシステムを導入するのではなく、まずはクラウドサービスを導入し、多くの社員が使いこなせるようにするというのがDX化の第一歩ではないでしょうか。 クラウドサービスとオンプレミスはいずれも一長一短ですので、自社の事業展開や業務負荷の状況などを踏まえてご検討いただければ、と思います。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。