活用例

出荷承認DX

製造業の「出荷承認DX」構築事例
NAVINECTで実現するDPP対応と出荷判定ゲート

更新日:2026.06.25

製造業の出荷管理

 製造業の出荷コントロールにおいては、顧客要求や内部規定に基づいた検査証明書や製品ラベルの発行と、品質情報やその承認ステータスに基づく出荷可否の判断が重要な業務となります。  これまでも製品ラベルに印字されたQRコードに代表される二次元コードなどを読み取ることで、製品情報などを確認できる仕組みは利用されてきましたが、工場内のトレーサビリティ管理、もしくはユーザー向けの原材料表示用といった任意の用途にとどまり、法規制として求められているものではありませんでした。  近年、欧州を中心に導入が進むDPP(Digital Product Passport)により、この状況が変わりつつあります。DPPでは、製品に付与されたラベルを起点として、設計情報や製造履歴、品質情報などを参照できる仕組みが求められます  出荷工程においては、DPPラベルを起点に製品情報や品質情報を確認し、出荷可否を判定する「出荷判定ゲート」を設けることの重要性が高まっています。ラベルを読み取ることで対象製品の識別情報や品質データの承認状況を確認し、問題がない場合のみ出荷を許可する仕組みを整備することで、ラベル貼付ミスや未承認データでの出荷といったヒューマンエラーを防止することができます。

 本コラムでは、こうした背景による、NAVINECTを活用して品質検査・承認からラベル発行、出荷判定までを一体的に管理する出荷管理システムを構築した事例をご紹介します。

製造業の出荷管理 イメージ

3つの重要な機能

  • 1. 品質データの承認

     検査員がタブレットから入力した検査実績や、検査装置・QMS(品質管理システム)に蓄積されている検査結果データをシステム上に集約します。これにより、システムにはDPP発行に必要となる品質データが一元的に集約されます。  これらの情報をもとに、ロット単位の承認用デジタル帳票を自動生成し、品質担当者が内容を確認して電子承認を行います。  承認が完了したデータは、正式な検査成績書情報としてシステム上に保存され、営業・生産管理部門で検査成績証の出力や品質情報の閲覧に利用されるほか、後続のDPPラベル発行、出荷判定に利用されます。  その際、出力する検査成績証はユーザーが所在する国や地域の言語で発行する必要があります。本構築事例では、出荷先の国・地域の言語で検査成績証を出力できる構成としています。

    品質データ承認システム イメージ図
  • 2. DPPラベルの発行

     承認済みの品質データに加え、既存の外部システムに保持されている設計情報や製造履歴情報を紐づけ、ラベルフォーマットに必要な項目を反映した版下データを作成します。  作成された版下データは、ラベル発行の承認プロセスを経た後、DPPラベルとして発行されます。  発行されたラベルには、製品識別情報や、品質データを参照するためのQRコードが印字されます。

    DPPラベル発行システム イメージ図

     ラベルフォーマットや製品識別情報、QRコードに格納される情報は、ロットや製品型式ごとに異なる動的情報である点が、従来の製品ラベルとの大きな違いです。  本事例では、元々各システムに散在していた動的関連データやラベルのフォーマット情報を一連の情報として紐づけ管理しています。

    DPPラベル イメージ図
  • 3. 出荷判定ゲート

     出荷判定において、従来の製品ラベル、DPPラベル、検査成績書の3つに印字された照合用バーコード/QRコードを読み取ります。  読み取った情報をシステム上で自動的に照合することで、それぞれが同一の製品を指しているかを確認するとともに、対象製品の品質データやDPPラベルが正式に承認済みであることを確認します。これにより、ラベルの貼り間違いや書類の取り違え、未承認データでの出荷といったヒューマンエラーを防止し、製品・品質・DPPの情報が正しく紐づいた状態で出荷できるようにします。  これまでの出荷判定では「製品そのもの」と「品質情報」の承認・照合が確認ポイントでした。しかし、欧州を中心にDPPラベルも含めた3点照合の必要性が高まっています。  こうした仕組みは、欧州向けに製品を出荷している企業であれば今後いずれ対応が求められる可能性が高く、適切な仕組みの構築ができていない場合には、出荷ができなくなるリスクも想定されます。

    出荷判定ゲート イメージ図

DPPラベルがつなぐサプライチェーン

 DPPラベルは、単なる製品ラベルではなく、製造から物流、販売、顧客までをつなぐサプライチェーン全体の情報キーとして機能します。  製造工程で発行されたDPPラベルは、出荷工程での照合を経て物流へと引き渡されます。物流倉庫ではWMS(倉庫管理システム)が中心となり、入庫、保管、ピッキング、出庫といった各工程でDPPラベルをスキャンします。これにより、倉庫の入出庫だけでなく、品質証明や製造履歴といった製造側の情報もあわせて管理することが可能になります。こうしたトレーサビリティの確保は、特に電池や化学品などの物流において重要です。  また、顧客はDPPラベルをスキャンすることで、製品仕様や素材情報などのデータを確認できます。こうした仕組みは、設備機器や建材分野での活用が期待されています。

DPPラベルがつなぐサプライチェーン

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